発達障害だからこそ挑戦したい仕事とは?仕事選びのポイント

発達障害があると、仕事に支障があって就職も難しいと思われがちです。

事実、分野によっては著しい支障をきたしたり、発達障害の種類によって就業が難しい仕事があったりといったことも少なくありません。

それでも、発達障害だからこそ挑戦したい仕事も存在しています。
今回は、自分に合った職場環境や最適な働き方ができる仕事について解説します。

 

挑戦できる仕事は個々によって異なる

よく発達障害に向いている仕事を紹介するケースが多くありますが、実際は個々のタイプによって向いている仕事は異なります。

発達障害のない方であっても苦手な職種、得意な職種が変わってくるので、一概には言えません。
そのため、挑戦したい仕事を探すには個々の事情に合った仕事を見つける必要があるのです。

 

発達障害でも挑戦したい仕事を探す方法

発達障害でも挑戦したい仕事を探す方法として支援機関を利用する方法があります。

一般的な就活の適性検査のように、発達障害の適性も発達障害に理解のある支援機関に相談することで適性を見つけてくれるケースも少なくありません。

実際多くの発達障害を持つ方に対して就職のサポートをしてくれるケースがあります。

働くために必要なスキル取得に取り組むといったこともできるので、今は難しい場合でも職業訓練を通じて特定の分野に就職できる能力が得られる場合も少なくありません。

また、第三者の視点から客観的な意見を貰えるので、視野を広げられます。
このような支援を行ってくれる組織は次の2つが挙げられます。

・就労移行支援事業所
・ハローワーク

就労移行支援事業所は、発達障害を持つ障害のある方の就職や職場堤脚を支援する期間です。

利用する方は、サポートを受けながら自己分析を行ったり、障がいの理解をするといったプログラムを受講したりといったことをしてもらえます。

さらにビジネススキルの習得や対人スキルの研鑽、同時に就職活動も進めていきます。
就職したあとも継続して相談できる就労定着支援というサポートもある組織です。

専門的に扱っているので、かなり頼もしい支援組織といえるでしょう。
公的な機関だけでなく、民間の企業や団体が運営している事業所も多いので、利用する選択肢が多いのも特徴です。

ハローワークと言えば、発達障害以外の方も利用することが多い求人の手段です。

一方で、障がいのある方の仕事探しを支援する窓口が用意されているので、求人の紹介だけでなく、職場に発達障害を開示するかどうかといったサポートも行っているのが特徴です。

一般的な就労支援と同じく、応募書類の添削や就職後の継続的サポートも実施しているのがハローワークの強みでもあります。

 

発達障害があると難しい仕事とは?

発達障害があるとどうしても難しいと感じる仕事もあります。
ここでは発達障害のタイプ別に難しい仕事を解説しましょう。

 

学習障害(LD)があると難しい仕事

結論を言えば、個性が強いタイプなので、個々によって難しい仕事が異なります。
たとえば、数字を扱う経理の仕事なのにディスカリキュリア(算数障害)を持っていると難しいです。

また、字を読むことに困難のあるディスレクシア(読字障害)があるのに文字を読むことの多い仕事をするのはそもそも難しいと言えます。

 

注意欠如・多動症(ADHD)があると難しい仕事

不注意になりやすい仕事は、次のような仕事が難しいとされています。

・パイロット
・運転手
・医師
・接客業
・営業

これらの仕事が難しい理由について解説しましょう。

まず、医師やパイロット、バスや電車などの運転手は、うっかりミスなどによって人命に関わるような状況になります。

そのため、ほかの人を傷つけない意味でも難しい仕事といえるでしょう。

次に接客業や営業も難しい仕事です。

不用意な発言をしてしまうといった特性があるため、相手に不快な思いをさせてしまったり、円滑なビジネスができなかったりします。

また、注文を同時に受けたり、仕事を並行して進めていかなければならなかったりするので、マルチタスクの難しいADHDの方にとっては難しいものがあります。

このような理由から上記に挙げた職業は、ADHDの場合において難しいとされているのです。

 

自閉症スペクトラム

自閉症スペクトラムの特徴は、自分が興味を持った者に対して高い集中力を出す反面、そうでない事柄に関しては集中力を持続させることが難しい特徴を持っています。

マルチタスク能力やさまざまな事柄の処理が必要な一般事務やテレフォンオペレーターのような仕事は難しいとされています。

 

発達障害であることを開示するかどうか

発達障害で仕事に就く場合、迷うのが発達障害であることを開示するかどうかという問題です。
ここでは、1年後の定着率について解説しましょう。

まず、発達障害を非開示にする場合です。

これは、発達障害であることを隠して仕事をすることで、この場合の定着率は33.3%です。
つまり、7割程度の方が1年以内に仕事を辞めてしまうことを意味します。

次に発達障害を開示して働く場合です。

これは、公表して仕事をするというケースです。
この場合の定着率も33.3%で、そこまで変わりません。

つまり、発達障害を開示しても、開示しなくとも変わらないということになります。
一方で発達障害の程度がある程度高い場合は、障害者認定を受けて障がい者雇用で働くという手もあります。

この場合は、定着率が79.5%であり、かなり高い定着率です。
支援組織と相談し、発達障害についての障害者認定を受けるかどうかということを検討することも重要です。

 

まとめ

発達障害があると、仕事のマルチタスクが難しかったり、納期に問題が出たり、人間関係がうまくいかないなどの困りごとを感じるケースも多くあります。

このような問題を抱えにくくする対策ができることで自分の活躍しやすい得意分野で勝負できる仕事を行えます。

今回紹介した仕事に挑戦することで、自分が今まで知らなかった強みを感じ、より仕事に没頭できるはずです。
まずは、職場体験や見学をしてみるなど、具体的な行動へ移してみましょう。

そうすることで、仕事をするための第一ステップが踏めるようになるはずです。