自分の子どもが同世代の子どもに比べてなんとなく違和感があるというケースに遭遇すると、もしかしたら発達障害と感じてしまうこともあります。
もし、発達障害だとしたら、不自由な部分を治療するとともにそれに応じた適切なサポートが求められます。
今回は、そもそも発達障害とはどのようなものなのかを解説し、生まれつきのものなのかといった疑問についてもまとめました。
そもそも発達障害とは
結論をいえば、発達障害は生まれつき持った特性です。
脳の働き方が生まれつき異なることで、幼児のうちから行動面や情緒面に個性が強く現れる状態です。
障害ではあるものの、外見上は健常者と変わりないため、一見すると気づかれにくく、生活をしているうちにさまざまな支障が出ることから、本人も生活しにくく感じるケースが多くあります。
一人ひとり違った状態の発達障害
生まれつきある発達障害も、十人十色で全員が異なった特性を持っています。
そのため、次に紹介する発達障害の分類と完全に一致するケースは意外に多くなく、いずれかの症状を全て持っていたり、一部分だけ持っていたりといった違いがあります。
さらに知的障害を合併している場合もあれば、健常者と同じか、それ以上の知能を持っている子どもも少なくありません。
このような違いがあることから、画一的な対応をするのではなく、正しい理解と知識を深め、個々の子どもに適したサポートが求められるのです。
発達障害の分類について
発達障害は生まれつきの障害ではあるものの、次のように大まかな分類ができます。
・自閉スペクトラム症(ASD)
・注意・欠如多動症(ADHD)
・学習障害(LD)
また、以下の2つも発達障害として分類されることがあります。
・チック症
・吃音
以上の5つについて解説しましょう。
自閉スペクトラム症(ASD)
発達障害の1つ、自閉スペクトラム症(ASD)は、コミュニケーションに支障をきたしていることや同じ行動や活動を繰り返すといったことが主な症状です。
生まれつきいきなり異常に気付くことはなく、幼稚園や保育園などでなかなか友だちが作れなかったり、友人関係が一方的になったりします。
注意・欠如多動症(ADHD)
注意・欠如多動症(ADHD)は注意力の欠如や落ち着きのなさが主な症状です。
こちらも生まれつきある症状ですが、幼稚園の授業中にじっとしていられなかったり、不注意でミスを起こしやすかったりといったことで異常に気づくケースも少なくありません。
学習障害(LD)
学習障害は、字が読めなかったり、字が書けなかったり、あるいは計算ができなかったりといった障害です。
こちらも生まれつきある障害ではあるものの、幼少時に気付きにくく、小学校などに入学して発覚するといったことがあります。
読み書きが苦手で授業についていけなくなることで発達障害が発覚するケースも見られます。
チック症
チック症も発達障害に数えられます。
主な症状として、まばたきや首振りを頻繁に行い、しかも繰り返すことやいきなり大声を出すといったことが上げられます。
生まれつきあるもので、早い段階から異常に気付くケースも少なくありません。
吃音
実は吃音も発達障害に数えられます。
滑らかに話せないことから、周りに笑われたり、話し方を注意されたりします。
発達障害に気づくには?
発達障害に早く気づくことで早い段階でサポートができ、日常生活でも大きな支障を出すことなく、生活が送れるようになります。
また、特定の前兆が見られたら速やかに行政など発達障害の相談をし、医療機関での診察を受けて日常生活や社会生活にできるだけ適応するための対応をしてもらいましょう。
発達障害のサインを知る
発達障害のサインは、先ほどの症状のほか、具体的な行動で発見できます。
まず、自閉スペクトラム症は、目が合わない、指差ししない、笑い返さない、後追いしない、関心を示さない、言葉が遅い、そしてこだわりが強いといった傾向から疑われます。
次に注意欠如・多動症は、落ち着きのなさや、じっと座っていられないといったことで気づくでしょう。
このほか、しゃべりすぎたり、順番が待てなかったりといったこともあります。
幼稚園や保育園では席をいきなり離れたりするなどの行動が出たりすることもポイントです。
学習障害は、幼少児に見つけるのが難しいものの、ひらがななどが認識できなかったり、数えられなかったりと行った異常も見られます。
チックも見ていきましょう。
チックは、いきなり大声や奇声をあげます。
そして大きな唸り声を挙げたり、顔を何度もたたくなどの異常行動でも気づくはずです。
吃音は、単語の一部を何度も繰り返したり、言葉に対してすぐに反応しなかったりします。
また、僕は、私はなどの言葉が「ぼーーーくは」「わーーーたしは」といったように初めの音が引き伸ばされる音でも気づくでしょう。
ほかにもさまざまなサインがある
ここまで紹介した発達障害のサインは、ごく一部であり、場合によってはこれらが混ざったような反応を見せることもあります。
少しでも異常を感じたら、念のために専門家へ相談したり、アドバイスを受けたりしながら、正しく理解し対応することで子どもにストレスがたまらないようにサポートします。
また、発達障害が発覚した場合も、支援体制が確立しているため、専門家と相談しながら子どもが社会生活を送れるようにトレーニングしていくことも重要です。
まとめ
発達障害は生まれつき、脳の発達に偏りが生じている障害を言います。
今回紹介したように主な発達障害として、対人関係が苦手な自閉スペクトラム症(ASD)、集中力が続かない注意・欠如多動症(ADHD)、そして勉強などに支障が出る学習障害(LD)が挙げられます。
このほか吃音やチックなどを含めると、状態の重さ、軽さに関係なくさまざまな障害があるもの事実です。
もし、何らかの違和感を子どもに感じた場合、まずは丁寧に観察し、必要に応じて発達障害の相談窓口に相談しましょう。
それによって適切な配慮やサポートといった支援が受けられます。
また、配慮やサポートが適切であれば、発達障害の不自由さも軽減されるはずです。