発達障害の子どもへの支援がフォーカスされるようになってきました。
意外な場面で出会うことも多い発達障害の子どもに対して何が支援できるのか戸惑うことも少なくありません。
そこで今回は、発達障害の子どもに対する基本的な支援方法について解説していきましょう。
発達障害の子どもの支援方法を知っておく意味
発達障害の子どもの支援方法を知っておく意味は、他の子どもと同じように発達障害の子どもに寄り添うことが挙げられます。
発達障害だからと言って特別扱いせず、かといって無理をさせないことが求められます。
また、不適切な対応をしてしまうと、そこからうつなどの二次障害が発生し、より状況が困難となります。
そういった方向へ進まないためにも、発達障害の子どもの支援方法を知っておくことは重要といえるでしょう。
発達障害の子供のの支援方法
意味を知ったところで発達障害の子供の支援方法について解説していきます。
発達障害を持つ子どもを支援する方法として主に次の3つの視点から行うのがポイントです。
環境を整える
環境を整えるには、様々な工夫が考えられます。
その中でも描くことや計算が得意でない場合はパソコンやタブレットなどを使って支援します。
周囲の環境に圧倒されてしまってパニックになった場合も、気持ちを落ち着かせるための場所や、一人になる時間を用意するといったことも環境整備の支援です。
また、どんなタイミングでも相談できる人や場所を用意しておくことも良いでしょう。
環境といえば視覚による情報の提示も重要な支援です。
発達障害の子どもの場合は、言葉で伝えるよりも視覚の情報が理解しやすい特徴があります。
そのため、作業の手順や予定表などを情報として表示させたり、注意点をボードなど書くといった工夫も支援として有効です。
絵だけでないと難しい子どももいれば、文字で書いてあっても理解できる子どももいます。
個々の状況に応じて視覚情報の内容も工夫するようにしましょう。
仲間同士で支援する
仲間同士で支援することも重要です。
例えや冗談が通じにくい場合も少なくないため、それがトラブルの原因になってしまうことも多くあります。
また、他の子どもが話している内容が自分のことではないかと心配になってしまったり、自分のことを言っているのに気づかなかったりといったコミュニケーションに支障が出ている場合も多いのです。
そういったことにならないように、仲間同士で支援することが重要です。
自然な仲間の支援やクラスの友だちが手助けしてくれるようにするためには、クラスの教諭へ親が働きかけたり、教諭が判断して指導を行ったりといったことが求められます。
仲間がいるということが安心感につながり、不安などの障害が悪化することが無くなってくるでしょう。
また、仲間が話しかける場合もこちらに注意が向いていることを確認して具体的な表現で伝えられるように支援して行けるような関係ができれば理想です。
具体的な指示と自己決定を促す
自己決定を促すことも重要です。
あくまで押し付けではなく、子ども本人が納得したうえで行動できるようにします。
自分が決定するチャンスを多く用意して、トレーニングしてもらうことも支援です。
レストランのメニュー選びや周囲を考えた行動まで機会は多くあります。
こういった機会を繰り返し体験することで子ども自体もどのような支援を受けたいのかといった意見がいえるようになるでしょう。
発達障害の子どもを支援するシーンで、こちらがどのような支援をすればいいか取捨選択させたり、特定の行動をする場合、何をすればいいか子ども自身で決めるようにさせたりといった支援を行います。
ただ、これは発達障害の子どもだから行うというわけではなく、そうでない子どもでも行う事なので、決して特別なものではないということも知っておきましょう。
発達障害の子供を支援するうえで重要なこと
発達障害の子供を支援するうえで重要なことは、4つあります。
それは次の点です。
周囲で行う事
子どもだから大人1人で大丈夫だろうと考えると、思った以上に負担が多く、それでも1人で何とかしようと抱え込んでしまいがちです。
しかし、発達障害の子供の支援は一人で抱え込むことなく周囲みんなで支援することが重要と言えます。
場合によっては、兄弟や近所の子どもを迷惑にならない程度に巻き込んでしまっても良いのです。
もちろん、他の方からも支援してもらって、社会全体で支援するイメージを持つことが重要になります。
本人が納得の行く支援を行うこと
押し付けないようにすることも重要といえるでしょう。
つい、こちらの希望を押し付けてしまいがちですが、実際は発達障害の子どもにも意思があります。
その意思を無視して行動を押し付けても、支援を無視して勝手な行動を取る場合も少なくありません。
そうならないためにも本人が納得して受け入れやすい支援のやり方を見つけるようにしましょう。
見通しを立てること
見通しを立てることも重要です。
どのような見通しで、子どもを導くか考えて、そのうえで見通しを建てた指示をするようにしましょう。
その瞬間、行き当たりばったりで指示することもあるかもしれません。
しかし、その中でも最終的には、こうしてほしいという見通しを立てて支持することが重要です。
支援なのを認識すること
最後があくまで「支援」であるということです。
大人や周囲は、本人を手伝うだけであって、最終的には本人にやってもらうことを意識ましょう。
主役は、本人である、というイメージで常に接することが発達障害の子どもの支援方法全体を通じて言えることです。
まとめ
発達障害の子どもにはその障害の程度によって支援が必要です。
支援には環境整備などいくつかの手法があり、その手法を意識して提供することがポイントになります。
さらにそれ以外にも意識すべきポイントについても解説しました。
発達障害でなくとも、子どもは思い通りにいかないことがほとんどです。
そんな時でも決して責めることなく、可能な限りポジティブな態度で支援することで、二次障害を予防し、子どもの可能性を伸ばすことができるでしょう。
支援は予想以上に大変なこともあります。
しかし、子どもの成長は確実に見られますから、焦らずに寄り添うことが支援をする上で重要です。