発達障害の特徴は?母親ができる対応や支援サービスの紹介

子どもが発達障害かもしれない、でもどう対応していいか分からないといった母親の立場にいる方も少なくありません。
ただ、発達障害の子どもに対して、日本では関連する様々な支援やサービスが存在します。

それらのサービスを利用したり、サービス同士で連携することで、子どもの発達障害に対しても、自立に向けてのサポートが十分期待できます。

今回は、発達障害の特徴を紹介し、母親の立場でできる対応や発達障害に対する関連の支援やサービスについて紹介します。

 

子どもが発達障害かも?発達障害のタイプを解説

メディアや本などで発達障害について話題になることが多くなりました。
様々な情報を知ると、自分の子どもも発達障害かもしれない、と気になる方も少なくありません。

ここでは、発達障害の主なタイプである、ASD、ADHD、そしてLDの3種類について解説していきましょう。

 

ASD

ASD(Autism Spectrum Disorder (Disability))は、自閉スペクトラム症や自閉症スペクトラム障害とも呼ばれるタイプです。

かつて、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群と呼ばれていた各種の疾患や障害をまとめて呼ぶようにしたものがこれに当たります。

基本的な特徴を一覧にすると、次の点が挙げられます。

1.ニオイや音に過敏または過度に鈍感
2.他人の気持ちを読み取れない
3.手先が不器用
4.順番や物の配置などにこだわりがある

こういった特徴は、発達障害でなくともありますが、かなり過度なものになる傾向があります。

子どもの場合は、周囲に比べて集団行動が苦手だったり、同年代の子どもとうまく遊べなかったりといった特徴も見られます。
延々と同じ遊びを繰り返すといった点も特徴です。

この4つの特徴について簡単に解説していきましょう。

まず、においや小戸に過敏または過度に鈍感という点は、にぎやかな場所や密閉空間でパニックになる特徴があります。

2つ目は、表情やジェスチャーで相手の気持ちが読みとれない、あるいは読み取るのが難しい点です。
周囲とのトラブルの原因になることも少なくありません。

3つ目の手先が不器用というのは、あくまで傾向であり、子どもであれば発達障害でなくとも多少不器用です。
そのため、安易に不器用だから発達障害だと決めつけるのはやめましょう。

4つ目は、道順を常に同じにしたい、あるいはおもちゃの位置にこだわりがあるといった行動です。
少しでもいつもと違うことをすると、反発されることも少なくありません。

 

ADHD

ADHD(attention deficit hyperactivity disorder)は、最近よく聞かれるようになった障害で、注意欠如・多動症や注意欠如・多動性障害と呼ばれます。

基本的に次のような特徴が挙げられます。

1・思ったことをすぐに実行しようとする
2・じっとできない、常に体が動いたり騒ぐ
3・不注意が多く忘れ物が目立つ

こういった特徴は、小さな子どもであれば誰しもが持っていますが、小学生になると明らかに不自然な行動になることも少なくありません。

授業中、椅子に座っていられない、順番を無視する、おかしな発言をするといった場面で発覚することがあります。
部屋が片付けられない、無遠慮さが目立つ、出かけるまでに準備がかかるといった点が見られます。

 

LD

LD(Learning Disability)とは学習障害のことです。

ディスレクシア(読字障害)、ディスグラフィア(書字表出障害・書字障害)、ディスカリキュリア(算数障害)といった障害が見られます。

それぞれ、字が読みにくく音読できない、字の形を認識できない、計算ができないといったものです。

ここまで紹介してきた特徴は、あくまで目安です。

最終的には専門医の診断を受けて発達障害かどうか決定されますので、今解説した特徴に当てはまっても当てはまらなくとも、まずは発達障害の専門医や小児科医に受診して診察してもらいましょう。

 

発達障害の子どもに対する母親の支援

専門医を受診し、これらのいずれかの診断を受けた場合、母親や家族としてどのような支援ができるでしょうか。
先ほど紹介した3つの点についてそれぞれ解説していきましょう。

まず、ASDに対しては、一つずつ伝える、しぐさや言葉でも伝える、落ち着いた環境を用意するといった点がポイントになります。
一つずつ伝えることで、言葉だけでは理解できないものに対しても、少しずつ理解できるようになってくることもあります。

次に他人の気持ちが読み取れないという場合に対しては、表情だけでは理解できないため、言葉やしぐさでも伝えるようにするのがポイントです。

集団行動での決まりやしてはいけないことを伝えましょう。
また、周囲の環境に対して過敏になっているため、落ち着いた環境を用意して本人が過ごしやすいようにします。

外出する場合は、耳栓やフード、イヤーマフといったものを着用して周囲の刺激を軽減します。

ADHDに対しては、ペアレントトレーニングが有効とされています。
この方法については、後述する支援やサービスを提供している施設で学ぶことができます。

簡単に言えば、ADHDに対する接し方や子育ての方法についてもメソッドといえるものです。

LDに対しては、学習の工夫によってある程度対応することができます。
読字障害の子どもに対しては、読む場所がわかるように定規を使ったり、鉛筆を置いたりして注目させましょう。

また、文章ごとにスラッシュを入れると読みやすくなるので、その方法も練習させてみるのもポイントです。

 

発達障害の子どもが受けられる様々な支援やサービス

発達障害の子どもが受けられる支援やサービスは多く、相談場所、支援やサービスといったものに大別されます。

まず、相談場所としては児童相談所や保健所、発達障害者支援センター、教育委員会といったものがあります。
ここで、最初に相談を行って最適な対応をアドバイスしてもらったり、支援やサービスなどと連携をとったりしましょう。

支援やサービスとしては、放課後等デイサービスや養護学校、療育といった教育機関や福祉サービスがあります。
ここで、どのように子どもと接したらよいかのアドバイスをもらうのも手です。

 

まとめ

発達障害は、3つのタイプに分かれています。
それぞれに対して母親や家族の立場から対応する方法や支援先について紹介しました。

ただ、子どもそれぞれによってタイプが異なることから、今回紹介した対応だけでなく柔軟な対応が求められます。

そんな時は、支援を受けたり、相談できる施設に連絡したりといった方法で発達障害の子どもに対して適切な対応をとるようにしましょう。