発達障害の種類解説と特性が重なっている子への接し方について

発達障害は、人の脳の機能の特性によってさまざまな状態が起こり、多動や独特の行動、学習障害などを引き起こす障害です。
ただ、発達障害といってもそれぞれの人によって個性があり、発達障害とひとくくりにはできません。

そこで今回は発達障害にどのようなものがあり、それらの種類が重なった子どもにはどうすれば良いのかについて解説します。

 

発達障害の種類とは?

発達障害には主に次のような種類が挙げられます。

・自閉症スペクトラム障害(ASD)
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)
・学習障害(LD)
・発達性協調運動障害(DCD)

これらについて解説していきましょう。

 

対人関係やイメージの障害:自閉症スペクトラム障害

自閉症スペクトラム症とは、主に自閉症を代表とするコミュニケーションに問題がある障害です。

かつては、広汎性発達障害(PDD)と呼ばれていたこともあり、さらに自閉性障害、レット症候群、小児崩壊性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性障害などさまざまな障害の総称となっていました。

しかし、2013年に現在の自閉症スペクトラム障害として分類されるようになった経緯があります。症状としては、空気が読めない、一人遊びが多い、こだわりが強い、刺激に過敏だったり鈍感だったりするといった特徴が挙げられます。

何となく社会人の中でも該当する要素を持った方がいるかもしれません。

しかし、自己コントロール力を身につけてやり過ごせていたり、周囲の環境に恵まれ支援がうまくいっているケースや、本人がまったく困っておらず、学校や職場などとも問題もなく生活できているのでれば、自閉症スペクトラム障害や発達障害とは言えません。

 

不注意や多動性・衝動性が目立つ障害:注意欠如/多動症(ADHD)

じっとできない、席についていられない、乱暴などの特性を持っている、あるいは対照的にじっとしている、集中できないといった問題を抱えているのがADHDです。

多動性は幼児期や小学生くらいには落ち着き、不注意が問題になる傾向があるのも、このタイプの発達障害における特徴といえます。

ADHDの具体的な症状として、忘れ物やミスが多い、片づけられない、ぼんやりしている、衝動的な行動も多いといったものが挙げられます。

さらに思いついたことをそのまま相手に言ってしまう(背が小さいですね、個性的な顔をしてますね、など)といった症状もこの発達障害の種類における特徴です。

1997年に精神科医の司馬理英子先生が、ドラえもんに登場するのび太とジャイアンを例に説明したことでも知られているタイプで、次のような特徴で2人をADHDの傾向があるとして説明しました。

・のび太(不注意型):不注意な発言が多い、ぼんやり、忘れ物が多い。
・ジャイアン(多動型):じっとしていることが苦手、多動、暴力による衝動的な行動が多い。

このようなイメージを、より分かりやすくしたタイプがADHDの発達障害といえます。
もちろん、個々の状況によって、のび太やジャイアンよりも特性が出ていないタイプのADHDの方も珍しくありません。

 

読み書き計算のいずれかあるいはすべてが困難な障害:学習障害(LD)

視力や聴力に問題がないうえ、知的障害もなく、さらに教育環境(義務教育)の中にいるのに読み書きや計算が著しくできない障害を学習障害といいます。

個々によって異なりますが、読み書きはよくできるのに計算がまったくできない、あるいは読めるのに書けない、計算はできるのに読み書きができないなどの点が特徴です。

学習障害については次のような3つのタイプに細分化されています。
・読字障害:読めない、あるいは読むのが困難(ディスレクシア)
・書字障害:書けない、あるいは書くのが困難(ディスグラフィア)
・算数障害:計算できない、あるいは困難(ディスカリキュア)

これらの障害があっても試験問題を読んでもらえば普通に回答できたり、答えを話してもらうと正解していたりします。

 

運動が苦手で合併しやすい障害:発達性協調運動障害(DCD)

不器用と言われるのがこのタイプです。
年齢や知的発達に比べて協調運動が苦手で、細かな工作なども困難なケースが見られます。

不器用さがコンプレックスになってしまい、二次障害を引き起こしたり、さきほど紹介した3つの種類の発達障害を合併していたりします。

 

複数の発達障害が重なっている場合も多い

発達障害の種類について解説しましたが、最後に紹介した発達性協調運動障害のようにほかの発達障害のタイプと合併しているケースも多くあります。

さらに読字障害とADHDが合併しているといったケースや、すべてを合併しているケースすらあるのが実際のところです。
そういった場合はどうすれば良いのか次の項目で解説しましょう。

 

複数の発達障害の種類が重なっている子どもとの接し方

複数の発達障害の種類が重なっている子どもへの接し方としてのポイントは、重なっている種類をそれぞれ理解し、両方の対応を組み合わせるのがポイントです。

一例として次のようなものが挙げられます。

・自閉症スペクトラム障害と学習障害の場合:写真や図などの視覚的な支援を行う。絵でお願いをするなどのことを行う。
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)と学習障害の場合:集中力が切れたらほかのことをする。無理にペースを合わせるように強要しない。

これらはあくまで一例であり、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)さらには発達性協調運動障害(DCD)の特性が重なっているケースもあります。

そういった場合は支援のポイントが見つけにくいため、専門家との連携を行い、そのうえで個々に合わせた対応を周知してもらうといった支援が重要です。

 

まとめ

発達障害は個々の生活にさまざまな影響を与える障害です。

そのため、専門的な支援や接し方の工夫などを行って、発達障害から二次的に起こりうる統合失調症やうつなどの二次障害を予防する必要があります。

今回は、主な発達障害であるADHD、ASD、学習障害、発達性協調運動障害についてそれぞれの行動の特徴を紹介し、それらが複数重なり広範な障害を持っている子どもへの接し方について解説しました。

まずは、これらの点について理解し、適切な接し方をすることで発達障害の子どもであっても二次障害などの障害を引き起こすことなく良好な人間関係や発育が期待できるでしょう。