子供の発達が気になるとき、どこに相談したら良いのか分からないということは
多くの方が体験しているのではないでしょうか。
地方自治体の公式ホームページを見ると発達の心配事を相談できるさまざまな発達支援の機関がありますが
内容を見てもどこに聞いたらいいのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、発達障害を相談できる機関や相談の仕方をご紹介します。
発達障害を相談できる機関
市区町村保健センター
地域保健法に基づき市区町村が設置している施設です。
母子保健・老人保健に関する相談、幼児検診、予防接種、がん検診などを行っています。
高校生や成人に対する発達障害の相談も受け付けており
必要に応じて医療機関への紹介も行っています。
児童相談所
児童福祉法に基づき、都道府県及び政令指定都市・中核市に設置されている
児童に関するさまざまな悩み事を相談することができる施設です。
この場合の児童とは0~17歳を指します。
児童相談所では育成・保健の相談や発達障害の相談、発達検査を受ける事ができます。
療育については医師、児童福祉士、保健師、児童心理士、言語聴覚士などの専門家に相談する事が可能です。
子育て支援センター
厚生労働省の子育て支援事業として設置されている施設で
自治体が民間委託を含み運営しています。
育児不安などについての相談指導などを行っており、電話相談をすることもできます。
子どもの発達で気になっている事や心配事をケースワーカーに来所や電話で相談でき
発達に何らかの障がいがあった場合にも早期発見と対応によりその
後の発達が変わる助けにもつながります。
気になることがあったらまずは電話をしてみるのがおすすめです。
発達障害者支援センター
都道府県・指定都市や委託された民間団体で
発達障害や発達の遅れ等に関する相談を受け付けています。
発達障害の診断を受けている方やその家族、発達障害の可能性がある方の支援を行っています。
基本的には専門の職員と社会福祉士が在籍しており
そのほか臨床心理士、言語聴覚士、精神保健福祉士、医師が在籍しているセンターもあり
専門性のあるサポートを受ける事ができます。
発達障害者支援センターで受けられる支援とは
発達障害支援センターではその方の困り事や現在の環境に合わせて支援を行っています。
支援の内容は大きく分けて3種類あり、発達障害のある大人やお子様
ご家族等どなたでも利用できます。
相談支援
行動・言動面での気になることや日常生活での困りごとを相談できます。
保育園、学校、職場などで困っていることなども相談でき
必要に応じて福祉制度やその他サービスの利用方法の説明や医療機関
福祉施設、教育機関の紹介もしてくれます。
発達支援
発達支援に関する相談を実施しています。
知的発達や生活スキルに関する発達検査や、特性に応じた療育や教育
支援の方法についての支援計画の作成や助言をしてくれます。
発達支援は児童相談所、医療機関などの関係機関と連携をはかりながら支援していきます。
就労支援
就労を希望する人に対して就労相談に応じると共に
ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・地域支援センターなどの
労働関係機関と連携して情報提供を行っています。
必要な場合はセンターの職員が学校や就労先を訪問し
特性や就業適性に関するアドバイスを行うほか
従事している業務や環境の調整などを行うこともあります。
発達障害者支援センターの窓口が設置されている場所
発達障害者支援センターは各都道府県や指定特定事業所等に窓口があります。
原則的に今お住まいの地域のセンターが窓口となります。
また地域の規模や自治体内の発達障害支援の体制・状態によりセンターの事業内容には違いがあります。
詳しい事業内容は住まいのある自治体が運営する発達障害者支援センターに問い合わせてみましょう。
発達障害者支援センターを利用するまでの流れ
発達支援センターを利用するまでは以下のような手順になります。
地方自治体により違いはあるかとは思いますが、だいたいの流れを知っておくと安心です。
相談窓口の確認
まず、お住まいの地域の自治体のホームページなどで
子育てセンターの受付時間、相談窓口の場所を調べます。
最初は電話で相談したい場合は電話番号がホームページに記載されていますので
この番号に電話するようにしましょう。
相談受付
営業時間内に電話か来所で相談をします。
希望や必要性に応じてケースワーカーとの初回面接の予約を取ります。
初回面接
担当ケースワーカーと子供の発達や心配事に関しての相談を行います。
面接中は保育士が子供と一緒に過ごしてくれるセンターが多いので
安心して話しをすることができます。
面接後、希望や必要性を考慮しながら発達支援センターの案内があります。
発達支援センターの利用を希望しない場合は様子を見ながら継続的な相談を行ったり
他の機関の情報提供などをしてもらえます。
発達支援センターでの支援
発達支援センターでは医師による診察・診断を行い
必要な療育や対応などについてアドバイスをもらいます。
その後、専門スタッフによる理学療法、作業療法、言語聴覚療法を行います。
発達支援センターでの療育は個別療育となります。
診断と個別療育を受けるには健康保険証と該当者の方は医療費受給者証が必要です。
児童デイサービスセンターでの支援
発達支援センターでの医師のアドバイスにより
児童デイサービスセンターでの支援を勧められた場合
児童デイサービスセンターで集団療育による支援を行います。
主に子どもの日常生活やコミュニケーション能力向上を目的としたグループ活動を行います。
児童デイサービスセンターでは利用料の一部負担があります。
また、利用には「通所受給者証」の交付手続きが必要です。
相談する際に準備しておきたいこと
発達障害支援センターをはじめとして専門機関に相談する際には
子供の現在までの様子を説明することになります。
検診の内容や言葉が始まった頃のこと、生まれてからこれまでの様子
保育園や幼稚園から言われたことなどを整理しておく必要があります。
母子手帳を見返したり、ノートなどに子供の様子や悩み、困りごと、相談したいことなどを
整理して書いておくと良いでしょう。
子どもの発達が気になったらまずは相談を
子どもの発達障害はすぐにわかるわけではなく、発達の過程や環境の変化により
困りごとが出てきたり、特性が現れることもあります。
気になることがあったらまずは地域の子育て支援センターに相談してみるのがおすすめです。
もし、いきなり地方自治体の窓口に相談することにハードルを感じるなら
民間が行っている発達支援サービスに相談してみると良いでしょう。