発達障害の特別支援教育とはどんなものか?制度の内容を紹介

発達障害の子どもに対しての支援として特別支援教育があります。

発達障害など障害を持った子どもに教育や指導を実施して、自立を促す学校の教育方法ですが、周囲の理解を深め、単独での支援に終わらない試みもされています。

しかし、具体的にどのような発達障害の支援をしているのか分からないという方も少なくありません。
また、発達障害者に対する支援の先の進路はどのようなものか理解が進んでいないのも現実です。

そこで今回は、発達障害の特別支援教育とはどんなものかを解説し、進路などについても紹介します。
記事を読むことで発達障害の支援がどのようなものか分かるでしょう。

 

発達障害の特別支援教育とはなにか

発達障害の特別支援教育とは、発達障害を含めた障害のある子どもに対して、社会参加や将来的な自立を目的にした支援です。
2007年の学校教育法改正によって特別支援教育が位置づけられました。

発達障害に限らず様々な障害のある子どもに対して支援する特別支援教育についてその特徴や理念などを解説していきましょう。

まず、特別支援教育は、従来の障害者向けの教育方法であった特殊教育とは異なり、知的発達の遅れがない発達障害の子どもも支援の対象にしているのが特徴です。

そのため、従来よりも多くの子どもに対して支援をする制度になっており、障害の有無に関わらず学校で教育を受けられる体制にしています。

そして、特別支援教育の理念は、「共生社会の実現」です。

性別はもちろん、年齢や障害の有無に関係なく、誰もが積極的に社会へ参加できることを目的にしたものが共生社会です。

矯正社会の実現には教育が重要であり、教育の新しい概念として「インクルーシブ教育システム(inclusive education system)」を取り入れることになりました。

インクルーシブ教育システムとは、多様性の尊重などを強化することです。
それによって、障がい者が精神的にも身体的にも可能な最大限まで能力を発達させることで自由な社会において効率的に参加できるようにすることを目的にしています。

その具体的な行動が、障害の有無にかかわらず共に学ぶ仕組みを取り入れることです。
そして、インクルーシブ教育システムは、特殊学級だけでなく、通常学級にも障害のある子供を参加させることを意味します。

 

インクルーシブ教育システムを実際に取り入れた場合とは?

インクルーシブ教育システムを学校に取り入れた場合、次のような特色のある学級ができます。

 

障害の有無に関係なく同じ教室で学ぶ

まず、障害の有無に関係なく、同じ教室で学ぶということです。
発達障害の子どもも通常学級で学べるものは、きちんと学び、通常学級との障壁を取り払うことが求められます。

 

個々に合わせた指導を提供する

発達障害のような障害がなくとも、個々の家庭の事情や性格によって教育方法は異なります。
その違いを学校で理解し、それぞれに合った教育を提供することを目的にします。

 

通常学級と障害のある子どもに連続性を持たせる

最後に通常の学級と障害のある子どもに連続性を持たせることです。

つまり、通常学級、通級指導、学校内の特別支援学級、そして通常学校害の特別支援学校などの施設の境目を無くすということを意味します。

たとえば、発達障害の程度によって特別支援学級にいる子どもも可能な限り通常学級の授業に参加したり、反対に通常学級にいる子どもも特別支援学級、あるいは更に発展させて特別支援学校の授業に参加するといった試みも含まれます。

特別支援教育は従来であれば、まったく関わりのなかった両者の学級や学校の壁を取り払うことを目的としているのです。

もちろん、障害の程度によって医療処置が必須の子どもも少なくありません。
そういった場合においては、周囲の支援のもとで可能な限り、個々に合った指導をすることが重要になります。

 

発達障害の特別支援教育後の進路は?

発達障害の有無や障害の有無にかかわらず、将来的には進学や就職先の検討が求められます。

従来であれば、障害のある子どもは、ほとんど自動的に特別支援学校の上位校へ進学していくといった形を取っていました。

しかし、発達障害を含めた特別支援教育の導入によって、特別支援学校へそのまま進学する以外の道を選ぶことも、より容易になってきたのです。

障害の状態はもちろん、本人の教育に対する意思、保護者の意見、さらには教育者や医療従事者などの専門的見地からの意見をもとにして、その後の進路が決まっていく仕組みになっていったのです。

たとえば、発達障害などの障害を持っていても本人の意思があれば、一般の大学への進学の道も開けるということです。

もちろん、地域の状況や専門的な見地から見て問題がないという状況であればという前提はありますが、従来に比べて障害があったとしても、障害があることによって進路が閉ざされるといったことはなくなってきたと言えます。

 

特別支援教育の通常学校での支援体制

制度が変わったとしても体制が変わらなければ、従来の支援体制と全く変わらないことになります。
そうならないためにも支援体制として次のものが求められます。

 

校内や関係機関との連携調整

最初に学校内や行政などの関係機関との連携調整を進めていきます。

具体的にどのような方針で特別支援教育を進め、必要な人員の配置の決定をしたり、現場の状況を通じてどのように導入していくかといった点を話し合っていきます。

 

特別支援教育のコーディネーターの指名

校内においては、特別支援教育コーディネーターと呼ばれる人員を配置し、特別支援教育における中心人物になることが求められます。
コーディネーターは、校内の支援や連絡調整を実施します。

 

保護者の相談窓口の設置

最後に保護者の相談窓口の設置をします。
学校が一方的に進めるのではなく、特別支援教育コーディネーターが窓口となって、本人や保護者にとっても戸惑うことのないように進めていきます。

 

まとめ

発達障害をふくめた障害の有無にかかわりなく教育を進めることが特別支援教育です。

従来のように障害の有無によって明確な境界を設けることなく、連続性のある教育を実施することで、その子本来の力を発揮できる環境が得られるようになるでしょう。