発達障害の支援について:未就学児の年齢別の課題や指導内容を紹介!

発達障害はさまざまな研究やリハビリテーションの実績、発達障がい者支援センターから調査が行われ、障がいのある年齢別の課題が見えてきています。

そして、それぞれの年齢に対してどのようなツールや教材を使用し、プログラムや支援サービスを行えば、地域において自立した生活が送れるのかといったことも分かりつつあります。

今回は、未就学児の年齢別の課題やそれに対する指導内容についてまとめました。

 

0〜2歳の課題と支援とは?

この時期は身体的な成長だけでなくコミュニケーションや記憶などの発達が見られる時期です。
そのような時期に起こりがちな発達障害の課題は次の3点が挙げられます。

 

言葉が遅い

発達障害の雰囲気があると、名前を言っても反応しない、話しているときも目が合わないといった課題も出てきます。
つまり、言葉の理解が遅いため、コミュニケーションが取りにくいのです。

こういった状況に対しての支援としては、他者の存在を認識させる手伝いを行ったり、他者との関わりに興味を持たせる支援を行います。

また、自宅でもトレーニングできるようにペアレントトレーニングとして、支援の際に行った声掛けや音や言葉を使って伝える反復を行って、言葉の反応に対して行動の定着を促進していくことが重要です。

 

かんしゃくを起こしやすい

かんしゃくを起こしやすいという課題については、すぐにかんしゃくを起こして床や壁に頭を打ちつけたり物を投げたりするといった課題が出てきます。

こういった課題に対しては、イラストの描かれたカードを見せて首を降るなど頭を打ち付けたり、叫ぶといった反応以外の方法を教えます。

同時に自宅では、欲しいと思われるイラストが描かれたカードを見せて、首を振らせたり、うなづいたりといった反応をチェックします。

 

指差ししない

指差ししない課題が出てきた場合は、指さしを促したり、指さしのまねをさせたりといった指導や興味があるおもちゃを通じて指導を行うようにします。

自宅では、子どもの動きに積極的な反応をするといったことを行ったり、指導員が支援を行ったのと同じ声掛けや支援を行います。

 

好奇心が広がる3歳の発達障害の課題に対する支援

3歳になると好奇心も広がりますが、そのような3歳の時点での発達障害における課題は次の3点です。

 

友達との関係

3歳では、家族以外の人間関係も構築され始めます。
しかし、友達同士でのおもちゃの貸し借りや会話がスムーズにいかないことで、トラブルになってしまうことも少なくありません。

こういった問題に対しての支援として、貸し借り、順番、やりとりの練習を行います。
できたら褒める、といった指導を積み重ねていきスムーズな人間関係が築けることを目指します。

家族が家で行うことは、貸し借りや順番の練習といったことがメインです。
ただ、それに加えて支援先へ行って、子どもの様子を観察するといったことも行うと、より効果的です。

 

パニック

徐々に家以外の慣れない環境に身を置くようになると、パニックを起こしやすくなる子がいます。

パニックを起こす予防として興奮したり、パニックになりそうな手前の段階を発見し、そして落ち着かせる方法を検討することが主な支援です。

パニックになりそうな状態で、どうすれば良いかを子どもに教えましょう。
自宅では、指導員と同じ声かけや指示といった内容で練習を行います。

できたらシールなどをあげましょう。

 

言葉が苦手

言葉が苦手なのは、3歳になっても継続することが珍しくありません。
動きのあるおもちゃなどを用いながら、子どもの要求と言葉とを結びつける練習を支援します。

家庭では、子どもに応じて具体的な接し方や声かけを続けることで言葉の練習をします。
子どもの耳に残りやすい、ブーブ(車)、まーま(母)といった幼児言葉を使って覚えてもらいましょう。

 

言葉や自立が促される4歳・5歳の課題と支援

幼稚園や保育園に行く子どもが出てくる4歳や5歳になると、次のような課題が出てきます。

 

自立できない

自立といっても社会的な自立ではなく、着替えや朝の支度といった課題です。
これは、精神的な支援というよりは、身体を思い切り動かしてもらうことが支援になります。

着替えは腕を袖に通したり、ボタンをはめたりなど大きな動きと細かな動きの組み合わせです。
そのため、丁寧な動きができるように練習することを支援にします。

自宅では、着替えやすい環境を指導者から聞いて、それを再現することで着替えの練習を行います。

 

集団行動がとれない

集団行動がとれない点も課題です。
回りと同じ行動がとれないのは、学校生活などこの先の活動に支障をきたすこともあります。

そういった問題に対しては、いきなり大集団ではなく数人の小さな集団を作って、指導員と同じ動きをみんなで練習するといった支援が行われます。

家庭では、具体的な活動というよりは子どもの自信をつけるための試みが重要です。
体操やダンスなどが苦手な場合は、親子で練習してみて慣れることから始めましょう。

 

うまく話せない

言葉の問題は4歳になっても続きます。
要求ができないことや音声が不明瞭に感じる、吃音がある、一方的に話すといった課題が出てきます。

そういった課題に対しては、発音しやすい環境を作り、そこでコミュニケーションの指導を行うのが主な支援です。
自宅では子どもの興味に合わせて好きなことや興味のあることを工夫して、それをもとに会話をしましょう。

全体的にコミュニケーションも高度になり、集団行動を求められるようになりますが、継続して支援をすることで、こういった課題に対しても適切に対応できます。

 

まとめ

発達障害は未就学児であっても、年齢によって次々に課題が変化してきます。

しかし、その変化に躊躇することなく、各年齢、各個人で一つずつ課題に向き合っていくことで、社会生活を送って自立がスムーズになります。

今回紹介した支援や自宅での練習は、ごく一部であり、個人や指導方法によって、さらに多様で有効的なアプローチも可能です。
もし、子どもの様子が気になるようであれば、支援を受けながら課題の解決に向けて行動していきましょう。