発達障害の支援は子どもの場合どのようなことが行われている?

発達障害のある子どもは、支障をきたす場合支援が必要になります。

今回は、そもそも発達障害とはどんなものなのか、どのような状態があり、支援や治療はどのようなものが行われているのかといった話題を中心に解説していきます。

これを読むことで、子どもの発達障害はどのようなものなのかが分かり、必要な支援を受けられるでしょう。

 

そもそも子どもの発達障害とは

子どもの発達障害は、「脳の働き方の個性が強く、物事のとらえ方や行動の仕方に違いがあるため、日常生活に困難がある状態」とされ、神経発達障害とも言われています。

脳の機能が偏っていることで様々な面において支障が出る状態であり、しつけや育て方が間違って発症するという事はありません。

さらに状態も個人差が大きく、一人で2種類の発達障害に該当する子どももいます。
また、成長するにつれて診断名が変わるといったこともあり、脳の発達によってその障害の状態がどんどん変化するものでもあるのです。

このように障害と名前がついており、根本的に障害を取り除くことは困難です。
しかし、周囲の環境を変えたり、支援によって子どもの社会的スキルを習得させることによって、日常生活を順調に送ることは十分可能です。

発達障害は、その診断名にとらわれず、子どもの現状に合った支援を行うことが重要な障害とされています。

発達障害の特性は2歳~3歳から徐々に目立ち始める傾向があります。
周囲に比べて特性が際立ってくる幼稚園や保育園の入園後に発覚するケースも少なくありません。

ただ、早い段階から特性を理解して、適切な支援や治療、対応をすることで、子ども本人の心が安定し、特性をよい方向へ発達させることも可能です。

反対に、適切な対応を行わないで放置してしまうことで、自己肯定感の低下や劣等感・孤立感の強まりなどによる心理面の問題が生じて、不登校や周囲の大人への反抗的な言動へつながってしまいます。

そういった意味で、子どもの発達障害への支援は非常に重要なのです。

 

どのような兆候が見られるのか?

子どもの発達障害はどのような兆候が見られるのでしょうか。
2歳まで、4歳まで、6歳までの順に説明していきましょう。

 

2歳まで

まず、2歳まででみられる兆候は違和感で、家族でも気づきにくいことがあります。
視線を合わせなかったり、抱っこを嫌がったり、親の後追いをしません。
一人で寝かされても平気で、あやしても笑わないといったことも見られます。

さらに泣くのは極端で、まったく泣かないかいつも泣いているかどちらかです
睡眠にも出てますが、とにかく寝つきが悪く、寝てもすぐに目を覚まします。

ただ、この時点では発達障害でない子どもでもあることばかりなので、断定はできないでしょう。

 

4歳まで

4歳までになると、より発達障害の特性が見えてきます。
偏食が激しかったり、名前を呼んでも無視、とにかく落ち着きがありません。

また、なんといっても言うことを聞かないし、特定のおもちゃに執着するのも特徴といえるでしょう。
それと、孤独を好むため、一人遊びをよくします。

 

6歳まで

6歳までになると集団生活に支障が出てきます。
言葉が広がらないことや集団行動ができない、あるいは苦手といった特性が明確になるでしょう。

また、4歳までに見られたじっとしていられない点や興味の対象がどんどん変わる点も変わりません。
さらに、すぐかんしゃくを起こしたり、物事へ強いこだわりを持っている点も特徴です。

こういった兆候が見られるのが子どもの発達障害ですが、注意点として、これらはあくまで一例です。
もし気になるようであれば、小児科などの医療機関で診断を受けてみましょう。

 

発達障害の種類を知る

発達障害には、一部知的障害に重なる部分があるものの主に3つの種類が挙げられます。

 

学習障害(LD)

学習障害(Learning Disabilities)は、知的発達に遅れはありません。
しかし、聞いたり、話したり、読み書きしたり、計算したりといった能力が弱い状態です。

ディスグラフィア(書字障害)、ディスカリキュリア(算数障害)、そしてディスレクシア(読字障害)といった特性に細分化されます。

 

ADHD(注意欠如・多動性障害)

ADHD(注意欠如・多動性障害)は、最近よく聞かれるようになった発達障害ですが、これはあくまで発達障害の1つでしかありません。

不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった特性があり、程度は非常に個人差があります。

 

自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)というと、初めて聞く方もいるかもしれませんが、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害を総称した発達障害です。

コミュニケーション能力が低かったり、限定された行動や興味、反復行動といった特徴があります。

支援を行う場合、これらの種類を把握したうえで適切な対応を行っていきます。

 

発達障害はどのような治療や支援を受けられるのか

発達障害の治療や支援についても解説します。
まず、治療自体は発達障害を根本的に感知させるものではなく、発達障害による様々な症状を和らげるために行います。

例えば、落ち着きのない子どもに対して落ち着かせる効果のある薬剤を処方したり、不眠症状に対しても睡眠を促したりといった、対症療法を行う形で行われています。

支援は、療育がメインとなります。
療育は、施設に通うことで問題になっている行動の解決や社会参加を促すアプローチを行います。

個々の発達障害の状態に合わせて、最適な距離で接し、徐々に社会参加や自立を促すことをしていますが、施設によって方針が異なるので、もし利用する場合は見学などをしたうえで対応しましょう。

 

まとめ

子どもの発達障害は、さまざまな状態になります。
しかも、個人差や同一の子どもでも年齢によって障害が変化します。

このような状況に対して行う治療や支援を適切に行うことによって、発達障害があったとしても、特性をうまくカバーし日常生活への支障を改善することが十分に期待可能です。