発達障害支援の内容とは?就学後の社会参加までを紹介!

発達障害を持つ方やその家族に対して、現在様々な支援が行われています。

就学前から就学中、そして就学後も、生活に支障が出ないように支援を行い、発達障害者支援法によって法律でも支援が明記されています。

今回は、発達障害の支援の内容について、全体像を解説し、そのうえで各段階で行われる支援の内容を解説していきましょう。

 

発達障害の支援についての全体像

発達障害の支援内容は、冒頭でもふれた通り就学前、就学中、就学後の支援に分けられます。

また、それらの環境整備をするために支援を行う側に対しても専門的な医療機関の確保や相談、情報提供、研修といった制度も整備されています。

もちろん、社会の受け入れ態勢の拡充も図っており、権利の擁護や社会教育を行って発達障害の社会的認知の拡大も支援の一環として行われている状況です。

直接の支援として就学前、就学中、就学後の3つのライフタイムに分けられているのが発達障害支援の特徴ですが、それぞれどのようなことを実施しているのかを大まかに紹介しましょう。

まず、就学前は出生時から小学校入学前までの発達障害の支援です。
こちらは、早期発見を中心に早期の発達支援として相談や療育による支援が行われます。

次に就学中は、小学校入学から教育施設の修了までの期間を指します。

ここでは、教育支援や放課後等デイサービスによる支援、加えて専門的発達といった支援が特徴です。
学校教育や集団生活といった課題の中で発達障害の支援を行う内容になっていきます。

最後が就学後、社会人になって以降の支援です。

ここでは就労支援や地域生活支援といった支援内容で発達障害の方を支えていきます。
発達障害は、年齢と共に変化し、社会生活に溶け込める場合と、そうでない場合と個人差も出てきます。

そういった違いに配慮してきめ細かな支援を行っていくことが求められる段階といえるでしょう。

これら3つのライフタイムごとに具体的な支援の内容について説明していきましょう。

 

就学前の発達障害の支援内容とは?

就学前は、発達障害があるかどうかに気付いて、その特性を理解しながら就学後の生活に移行できるようにしていくことが求められます。

ここでは、早期発見、早期発達支援、そして保育面の支援といった3つのポイントで支援が行われていきます。

まず、早期発見では、乳幼児健康診査、就学時健康診断によって発達障害を見つけていきます。
早期に見つけることで、より適切な支援が行えるため、これらの健康診断も重要な支援といえるでしょう。

まず、乳幼児健康診査は、各市町村で行う健康診査になります。
1歳6か月児健康診査(満1歳6か月を超え、満2歳に達しない幼児が対象)と3歳児健康診査(満3歳を超え、満4歳に達しない幼児が対象)の2つのタイミングで行い、発達障害かどうかを判断します。

次に就学時健康診断は各市町村の教育委員会が実施する健康診断を言います。
ここでは、翌年に就学する、その市町村に住んでいる子どもに対して発達障害であるかどうかを検査します。

このタイミングで発達障害があると判明した場合は、特別支援教育での支援が検討されます。
ここでの検討とは、通常学級でも問題ないのか、あるいは特別支援学級、通級指導教室(通級)、さらには特別支援学校で学ぶのが最適かを検討することです。

次に発達障害が見つかった場合、早期発達支援として療育を中心とした専門的な指導訓練や集団生活への適応訓練を行う通所型の施設やサービスでの支援を行います。

また、保育園など発達障害がない子どもとの集団生活を送っている発達障害の子供に対して、保育所等訪問支援と呼ばれる、一人ひとりの身体や精神の状況、置かれている環境に応じた支援を実施します。
この支援は、訪問支援員と呼ばれる専門職の方が対応する内容です。

最後が保育面の支援です。
市町村や社会福祉法人等が設置する保育所で専門の保育を行う支援で、保護者の方が就労面や疾病などの理由で十分保育できない場合が発達障害として対応されます。

この3つの支援が就学前に行われます。

 

就学中の発達障害支援について

小学校へ入学以降の発達障害の支援について、学校での教育支援や放課後支援を行います。

まず、学校での教育支援は、発達障害のある子どもに対して特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室(通級)といった教育機関を整備し、そこに就学させる支援です。

指名されている特別支援教育コーディネーターや、そう言ったスタッフが配置されていない学校では、各学校の管理職や養護教諭、学級担任などが相談の窓口として支援を行っています。
発達障害があっても十分な教育が受けられるように配慮されています。

放課後支援は、学校以外での発達障害の支援です。
代表的なものとして学童保育での発達障害支援と放課後等デイサービスによる支援が挙げられます。

まず、学童保育は、発達障害でない子どもと共に放課後の生活をします。
校の余裕教室・児童館などを利用して遊びや生活の場を提供し、子どもの健全な育成を図るもので、そこで発達障害のない子に混ざって生活する支援です。

ただし、対象は日中保護者が家庭にいない小学校1~3年生の児童なので、それ以降の支援はありません。

次の放課後等デイサービスは、障がいのある子(小学生・中学生・高校生)が対象であり、支援の対象が広いのが特徴です。

放課後や夏休み等の長期休暇中を利用して生活能力を高めるための施設やサービスになります。

 

多様な支援が行われる就学後

発達障害の就学後の支援は、多様です。
実際、発達障害のない方も様々な生き方があるように、発達障害のある方も様々な生き方があります。

その人それぞれの生き方に対する支援をするのが、その内容です。
主なものとして、次の3つが挙げられます。

1・就労支援(職業リハビリテーションや職能開発)
2・就労移行支援(一般就労支援)や就労継続支援(雇用型または非雇用型)
3・地域生活支援

これらによって仕事や生活の支援を行い、発達障害の方の人生を支えていきます。

さらに、権利擁護の支援として後見人制度も挙げられます。
この制度の利用によって本人の通帳の管理や不動産の管理、年金届等財産の管理事務を代行してもらえるのが特徴です。

加えて各種の契約や手続きを代行することも行い、発達障害を支えていきます。

 

まとめ

発達障害の支援内容は、未就学から就学後に至るまで生涯にわたって支援を行います。

それらの支援はいずれも各ライフタイムに合わせた最適な支援によって適切に実施されており、さらに個々の事情によって画一的なサービスにならないようにも配慮されています。