発達障害支援を小学生が受けるには?相談先やトラブルの対応について

ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー)、ADHD(注意欠如多動性障害)、LD(学習障害)といった状態が発達障害です。

小学生がこれらの障害を持っていると、学校生活や日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

そこで今回は、発達障害の小学生に対してどのような支援があり、どこに相談すれば良いのか、トラブルが起こった場合の支援はなにかについて解説していきます。

 

発達障害の小学生にはどのような支援があるのか?

発達障害の小学生には療育の支援があります。
確かに薬物療法として、治療が行われることもありますが、それだけでは不十分な場合は支援を積極的に行っていきます。

療育は、発達支援とも呼ばれるもので個々の発達の状態や障がい、さらに特性に応じて現在の問題への対応と、将来の自立と社会参加を目指して支援をしていきます。

発達障害といっても成長が完全に止まってしまったのではなく、やや成長スピードが遅い場合がほとんどです。
そのため、適切な支援を行うことで最終的には社会参加も十分に目指せます。

そんな療育ですが、小学生以上の場合は放課後等デイサービスがメインになります。

施設によって異なりますが、言葉やコミュニケーションをメインにしたアプローチと体の使い方をメインにしたアプローチ、さらにはかんしゃくなどの行動をメインにしたアプローチが行われます。

これらは、発達障害のある小学生の子どもの状態に応じたアプローチを行うことで、より効果が高まる傾向で、最適な支援を選ぶようにしましょう。

支援が必要な小学生に合った接し方や環境を用意するのが療育の担う役割です。

ただ、療育が必要なほどではない場合については学習塾によるアプローチがあります。

学習塾というと学校の勉強に焦点を当てた教育を行っているイメージがある一方、発達障害の支援を目的にした学習塾は、ソーシャルスキルと呼ばれる能力を伸ばします。

ソーシャルスキルとは、対人関係を円滑にするための能力です。

つまり、発達障害の小学生を対象とした学習塾は、「コミュニケーション能力」「社会生活技能訓練」「生活技能訓練」といった能力を高めるためのアプローチが行われているのが特徴です。

 

小学生になって発達障害が疑われる場合の支援を相談するには?

自分の子どもが発達障害かもしれないと感じることもあるでしょう。
そう言ったときにどこへ相談すればいいか迷う方も少なくありません。

そんな時に相談したいのが次の施設です。

 

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは各都道府県の県庁所在地や主要都市に設置されている発達障害者を支援するための施設です。

ここでは、保険や医療をはじめ副子や教育、さらには労働などの関係機関とも連携して、総合的な発達障害の支援を行います。
この施設が発達障害の子の主な相談先になるでしょう。

 

保健所または保健センター

保健所または保健センターでも発達障害の相談ができるようになっています。
こちらは市区町村ごとに設置されているので、比較的簡単に相談しやすい環境になっています。

発達障害からくるこころの健康、保健、医療、思春期問題、ひきこもりといった二次的な障害についてもフォローしてくれる施設です。

ただし、担当する範囲が広いものになるので、他の機関の紹介を行ったり、連携を行ったりといった対応になることもあります。

 

児童相談所

児童相談所でも発達障害に対する相談ができるようになっています。
子どもの悩みを専門的な知識や技術を持つ相談員に相談できるのが強みです。

全国の主要都市にあり、一つの都道府県の複数都市に設置されているので、問い合わせしやすい施設でもあります。

医学的な面や心理的な面から検査や調査を行ってくれ、適切な対応(療育が必要な状態か、医学的治療のみで対応できるか)といった指導を受けることもできます。

 

児童発達支援センター

児童発達支援センターは、市区町村に問い合わせることで利用できる施設です。
日常の基本動作や集団適応といった訓練を行う施設として民間や公的の様々な施設が存在します。

ここで直接相談するというよりは、これまで紹介した施設で相談して利用するといった形になります。

 

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、主に精神面に対応してくれる施設です。
本人や家族、関係者から相談を受けて、心の健康や精神科医療についてのサポートを行ってくれます。

上記の施設で相談したうえで必要に応じて発達障害かどうかを診断する知能検査を中心とした心理検査を実施します。
必要に応じて医療的な治療を開始することもあります。

例えば、飲み薬による治療が行われ、薬の成分が脳内の神経伝達物質のアンバランスを改善・調整させることによって症状の緩和を目指す治療です。

ちょうど、小学生以上の適用になるので小学生の発達障害が疑われる場合は、薬物の治療が行われることもあります。

 

発達障害が疑われる小学生の子どもの対応方法

発達障害が疑われる小学生の子どもへの対応として、忘れ物、集中、読み書き、暴力行為といった点で適切な行動をすることが挙げられます。

まず、忘れ物が多い場合は、集中していないタイミングで声をかけたり、分かりやすい言葉で簡単に話します。
授業などに集中できない場合は、席の移動を促したり、黒板近くの場所に移動したり、声掛けなどのルール作りを行ってもらいます。

また、どうしても座ってられない場合は、プリント配りや改修など席を離れても良い機会を作ってもらいます。

読み書きが苦手な場合は、下敷きで隠しながら読むといった対策が有効です。
何度も同じことをやらせると学習においては逆効果になるので注意しましょう。

暴力行為については、短い言葉で注意しましょう。
また、イライラしている場合は、場所を変えたり、深呼吸させたり、水を飲ませたりします。

こういった対応を柔軟に行っているのが療育で、もちろんこれら以外の対応もしています。
もし、子どもの発達障害があり、療育や学習塾を利用している場合は、施設の方にアドバイスを貰うのもポイントです。

 

まとめ

発達障害が小学生になって分かることも少なくありません。
こういった場合は、療育の対応や必要に応じて医学的な治療、または発達障害に特化した学習塾を利用するといった支援が行われます。

ただ、安易に自己判断で行動するのではなく、まずは専門の施設に相談して適切な指導を受けるのがおすすめです。